10/25(日)保戸野地区社会福祉協議会が保戸野地区福祉保健推進員を対象に講演会を行いました。テーマは「冬にかけての体調管理とコロナ禍の病院の受診の仕方」です。
講師に濱島医院の濱島由紀先生と泉包括支援センターの今野さんをお迎えし、コロナ禍に加え風邪やインフルエンザの流行を控えたこの時期だからこその体調管理、病院のかかり方について詳しくお話ししていただきました。
内容は以下の通りです。
3つの症状を自分で見分けるのは難しい・・・
頭痛や咽頭炎、鼻水などが典型的な風邪の症状ですが、ご自身でこれが風邪の症状なのか、インフルなのか、もしくはコロナに感染してしまったのか不安になってしまうことがあります。その際、まずは熱の上がり方で疾患の種類を比べてみましょう。
★風邪:微熱が多い。平熱が35度程度の方は、36.8度ほどでも微熱と診断されます。
★インフルエンザ:急激に高熱になります。風邪と同様に発熱による気だるさを感じるようになります。
★コロナ:熱はすぐには上がりません。無症状の方もいるほどで、熱に関してもなかなか気がつきにくい可能性があります。しかし、一度上がり始めると高熱を発症する恐れがあるので早めの対応が必要になります。
コロナウイルスの感染のピークは発熱の前に来ると言われており、目立った症状がなくても知らないうちに感染が進み、周囲へ感染してしまう可能性があります。
※自分での判断は難しいです。あくまでも「参考に」であり、感染症はご家族や周囲の方への感染の可能性もあります。ご自身の判断に頼らないでください。
正しい病院のかかりかた、電話の仕方について
1にあったような症状が見られた際は、専門医へ相談してほしいのですが、その際にも注意が必要です。
今年のコロナウイルスの流行を受け、各病院は直接感染者との接触を避けるため、電話での相談をお願いしています。
2020年11月より医療機関への新しい相談方法が国から決定されました。
ご自身でコロナウイルスはじめ感染症の疑いがある際は以下の2つの方法で医療機関へのご相談を行なってください。
①かかりつけの医療機関に電話する。
おそらく多くの方が「かかりつけ」と呼べるような日常的に受診している病院があるかと思います。まずはその医療機関に電話をし、ご自身の症状を伝えるとともに今後の体調管理や治療に関しての指示を受けてください。
※赤十字病院や大学病院等大きな病院にしか通ったことがないといった方もいるかと思います。その際はご近所の開業医へ電話で相談してください。
コロナウイルス対策の一環で新たに医療機関における対応の役割分担が提示されました。
☆大手医療機関:重症患者を受け入れるためのスペースを用意し、コロナ等の初期診療による感染拡大のリスクを回避する。
☆地元の開業医:コロナ感染をはじめとした感染症の相談窓口として初期診療をおこなう、ないし電話相談ののち専門医への紹介をおこなう。
以上の医療機関の棲み分けから、まずは近所の医療機関へのご相談をお願いします。
身近な医療機関の電話番号を控えておき、いつでもすぐに対応できるように準備しておきましょう。
保戸野地域では本日ご講演いただいた濱島医院でも電話での相談を受け付けています。
【詳細情報】濱島医院
住所:秋田県秋田市保戸野すわ町15−20
TEL:018-823-5252
② あきた新型コロナ受診相談センターへのお電話
こちらはコロナウイルス感染者への専門対応をしてくれる公的機関になります。
かかりつけの医者がいない、あるいは休日・夜間で対応してくれない時にはこちらの番号からご相談ください。
電話番号は3つあります。
- 018-866-7050
- 018-895-9176
- 0570-011-567
3つ目の番号であれば夜間土日祝日でも繋がります。
これらの電話相談の取り組みは大手医療機関の負担を軽減する目的で行われております。
これから冬になるにつれて感染症などの重症患者が大手機関では大変増えていくことが見込まれるため、症状が軽い際や初期段階での診療はまずはかかりつけ医での診断を第一にお考えください。
マスク・手洗い・うがいで予防しよう
2パートに分けてコロナ等感染症に感染した疑いのある場合の対応についてご紹介しましたが、まずは感染しないように努めることが第一にするべきことです。
ここではマスクの着用や家でできる感染症対策をご紹介していきます。
① 手洗いを最優先に!
手洗い・うがいは感染症予防の全ての基本です。
今年2月頃に横浜港沖で船内クラスターを起こした豪華客船でも問題視されていたのが手洗いでした。
乗客がイベントや食事の際に一斉に大きなトイレで至近距離で接触していたこともあり、主な感染源になっていたとの調査結果がありました。特に文化が異なる人との交流や、手洗いやトイレの蓋を閉める習慣がない人とのトイレの共同使用は衛生的に大きなリスクを伴っております。
「トイレでも自分の服を触った以外、他に汚いものは触っていない」と主張する方もいらっしゃいますが、実はドアノブや手洗い場の蛇口、便器の座面など不特定多数の方が触ったものにご自身も触れたということ自体が衛生的には大きなリスクになっています。トイレの後は確実に手を洗いましょう。
濱島先生は以下の5つの際には手を洗うことを推奨しています。
- トイレの後
- 外出後
- 調理前
- 食事前
- 掃除・ゴミ出しのあと
このそれぞれの時間に手洗いをするだけで感染症のリスクは下げることができます。また他に、これからの季節は上着を来て出かけることが多くなると思います。帰宅時にはその上着を一度玄関外で払い、なるべく菌やホコリを取ってから自宅内に持ち込むようにしましょう。
②マスク着用は他の人のためにも!
実は、マスクをきちんとつけていても呼吸や会話の際には細菌やウイルスを完全に防ぐことはできません。しかし、マスクをつけているだけで少なくともリスクは抑えることができ、かつ周囲の人間にも安心感を与える事ができます。
1でも記載の通り、コロナウイルスの感染のピークは発熱前の無症状ないし軽症状の期間です。気がつかないうちに他人に感染してしまうことを防ぐためにもマスクを必ず着用するようにしましょう。
大切なことは、常に「自分は感染している」という意識を持つことです。
インフルエンザワクチンについて詳しく知ろう
インフルエンザの予防接種は決して義務ではありませんし、ご自身の判断でするもしないも決めていただきます。また、予防接種をしたからといって「かからなくなる」わけではありません。
予防接種はあくまでも「感染後の悪化の予防」であり、ウイルスの流入を防ぐものではありません。
しかしながら、今年のコロナウイルスの影響もあり、感染症への対策は入念にしておいた方がいいに越したことはありません。重症化や免疫低下による他の病気・感染症の併発を防ぐためにも予防接種をお勧めします。
以上、濱島先生の講演内容でした。
この後、質疑応答では地域の方から、手洗いに関してやワクチン接種に関しての相談などが行われ、地域の方の健康への意識がより高まるいい機会となりました。
取材&記事作成:中村隆太
編集:岩井保乃華
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